SENSAIまさの備忘録

繊細気質まさの過去を振り返る

2021-01-01から1年間の記事一覧

これまでのこと21 教育実習Ⅱ

この話は実話をもとにしたフィクションである。氏名は仮名であり,敬語を省略した。 私は,担当クラスをじっくり観察した。まず目に入ったのは,女子生徒の2人組である。いつも二人でいる。そして,クラスメイトとは距離を置いていた。一人は背が高く,もう…

これまでのこと20 教育実習Ⅰ

この話は実話をもとにしたフィクションである。氏名は仮名であり,敬語を省略した。 私は,工学部4年生のとき,就活に失敗した。そこで,とりあえず卒業し,翌年度に再度就活を行うことにした。いわゆる「既卒」である。次の就活までに時間があったので,聴…

これまでのこと19 就活顛末記2

会社に着くと,驚いた。意外に多くの同級生がいたのだ。いよいよ,試験が始まった。能力テストは特に問題なし。専門の試験は,準備をしていかなかったので,あまりできなかった。続いて,性格テストである。私は,尖った自分を評価してもらおうという考えに…

これまでのこと18 就活顛末記1

私は,大学の工学部4年生になった。いよいよ,就活をしなければならない。私が工学部を選んだのは,まことにいい加減な理由からだ。その原因は,小さい頃に遡る。 私は,漫画が好きだった。幼稚園の頃には字が読めるようになったので,小学館の学年シリーズ…

これまでのこと17 山川先生(小学校)Ⅱ

これまでのこと16 からの続き この話は実話をもとにしたフィクションである。氏名は仮名であり,敬語を省略した。 クラスの男の子の間で,ちょっとした,いけないことが流行った。錠を開ける合鍵づくりである。クラスのガキ大将を中心にした10名ほどの集団…

これまでのこと16 山川先生(小学校)Ⅰ

この話は実話をもとにしたフィクションである。氏名は仮名であり,敬語を省略した。 小学校5年生の時,山川という若い男の先生が担任になった。私の小学校では,3年ごとに担任が変わる。私のときは,1~3年生では女の先生,4年生では海野先生という,別の…

これまでのこと15 野球同好会(社会人)

私は会社で,いっとき野球同好会に所属した。20代後半のことである。私はテニスの経験は長い。だから,野球に特別な興味はなかった。しかし,不思議に球技は何でもできた。いわゆる器用貧乏というやつである。そして,同僚の誘いもあって,何となく入会した…

これまでのこと14 工学博士とB先生 Ⅳ

これまでのこと13からのつづき… その後,機会があればA大学に寄って,B先生とお話しさせてもらった。難しい問題もまだ残っていたのである。B先生に教えを乞うていた初期の頃,研究室は,会社の人や高専の先生,大学院博士課程の学生などたくさんの人で大賑…

これまでのこと13 工学博士とB先生 Ⅲ

これまでのこと12からのつづき… さて,そうこうしているうちに4~5年が過ぎた。それまでに12編の論文が採録されていた。ちょうどそのタイミングで先生から電話があり,そろそろ纏めてはどうかという催促だった。すなわち,論文博士の申請をしてはどう…

これまでのこと12 工学博士とB先生 Ⅱ

これまでのこと11からのつづき… ここから,B先生の私への思い入れがスタートした。すべてに自信と経験のない私に,表舞台に立たせてくれたきっかけを作ってくれた。さて,私は,せっかく1次元圧電体の計算もしたので,そちらもついでに論文にしたかった。…

これまでのこと11 工学博士とB先生 Ⅰ

私は,A大学から工学博士の学位を授与された。その時私は30代半ばで,論文博士である。これはB先生との出会いで実現した。先生に巡り逢わなければ,博士号も現在の職位もあり得なかった。以下,煩わしいので敬語を使わない。お許し願いたい。 その5年ほど…

これまでのこと10 くすり Ⅱ

精神科には一度行ったことがある。10年以上前だ。常に,胸につかえがあるように感じるためだった。話を聞いてもらい,薬も処方されたが,特によくなることはなかった。今思えば,緊張による心臓からの警告だった。その経験もあって,今回の診察は(これまで…

これまでのこと9 くすり Ⅰ

私は人前で緊張する。誰でも同じというかもしれない。そうではないのである。言わば対人恐怖症だ。ただ,病気の名前でひとくくりにできない。それは,個人個人で症状が異なるからだ。これが,様々な局面で私の生活に影響する。電話や茶飲み話といった個人と…